イベントレポート
バスで見学!ごみのゆくえ
~清掃工場からその先まで~11月18日(水)
- ジャンル 体験
「環境講座」(たちかわエコパートナー認定講座)
バスで見学!ごみのゆくえ~清掃工場からその先まで~
日時 | 11月18日(水)8:30~16:30 |
---|---|
行程 | 立川市清掃工場→立川市総合リサイクルセンター→二ツ塚処分場→谷戸沢処分場 |
企画・運営 | たちかわエコパートナー・立川市環境対策課・ごみ対策課 生涯学習推進センター |
バスで見学!ごみのゆくえ~清掃工場からその先まで~
私たちの出すごみがどのように処理され、最終的にどうなるのか?バスに乗って清掃工場やごみ処分場を視察しました。意外なごみのリサイクルや、増え続けるごみの処分の現状を学びました。
それでは写真を見ながら当日の様子をご覧ください。
今日は雨の予報でしたが、朝は晴れ間も見えていました。朝8:30と少し早いスタート。立川市内の2施設がどこにあるかは知っていましたが、最終処理場が西多摩郡日ノ出町とは知りませんでした。たちかわエコパートナーの皆さんから資料をいただき最初の見学先、立川市清掃工場へ。
■立川市清掃工場(立川市若葉町)
立川通り沿いにある立川市清掃工場
ここへは、立川市内の「もえるごみ」が収集車によって運び込まれています。収集車ははかりに乗って重さを量ります。どこの町でどれぐらいごみが出ているかを調べて収集計画を建てるそうです。運ばれてきたごみはごみピットに一度ためます。ピットには3日分のごみがためられます。ピットの中ではクレーンでごみをかき混ぜます。ごみはかき混ぜる事によってよく燃えます。ごみは焼却炉に運ばれます。焼却炉では800度以上の高い温度で完全に燃やして灰にします。
ごみを燃やすと人の体によくないガスが出ます。その体に悪いガスを取り除くところを通って煙突から煙がでます。ごみを燃やして出たガスに水をかけて、800度から400度になります。体に良くないガスを取り除くにはアンモニアガスと薬を使います。ちりやほこりを取り除いてきれいなガスだけが煙突からでます。本当にきれいなガスかどうか監視しています。
昨年度のごみの年間搬入量は35421トン、1日あたり97トン、21年度43000トンだったので減量はすすんでいます。清掃工場には焼却炉が3つ、昭和54年に1号炉、2号炉(各90トン)平成9年に3号炉(100トン)現状は70~80トン/日の処理をしています。3号炉を中心に稼働中。3号炉のみで処理できるようになることが望ましいので、ごみの減量の目標は80トン/日だそうです。
このみどりの部分がはかりになっています。ここで 収集車の重さを量ります。 |
プラットホームと呼ばれる場所から、ごみピットへごみが落とされます。 |
中央制御室、焼却炉の中の様子や、ごみピットの様子 煙突から出る煙も監視しています。 |
この日は曇っていて分かりにくいですが、黒い煙は出ていませんね。 |
ごみピットの中、クレーンでごみをかき混ぜます。 係の人がレバーで操作します。 |
かき混ぜる事で、袋を破いたり、燃やしやすくなるそうです。右上に運んで焼却炉に。 |
■立川市総合リサイクルセンター(立川市西砂町)
五日市街道を進んで、横田基地の近くまで行くと立川市総合リサイクルセンターがあります。
「もえるごみ」以外のごみは立川市総合リサイクルセンターに運ばれます。最初に見たのはビン、お酒やビールのビンは洗浄して再利用されます。このようなビンをリターナブルビンと呼びます。1回使って砕くビンはワンウェイと呼びます。これらのビンをキャップをつけたままごみとして出すとどうなるでしょう?ひとつひとつ作業員の方が外しています。剪定枝は破砕機にかけてチップ化します。学校給食等の残さを発酵させたものと混ぜて、堆肥の素を作っています。この堆肥の素は市民に無料で配布されています。詳しくは市のHPをご覧ください。
ペットボトルやプラスチックは圧縮してベールというサイコロ状のかたまりにします。こうすることで運びやすくなります。ペットボトルやプラスチックのベールはリサイクル協会に運ばれます。家庭から出たプラスチックなどのごみは清掃工場と同じようにごみピットにためられて、クレーンで運んでコンベヤにのせて異物が入っていないか作業員が分別します。見学してとても大変な作業だと実感しました。立川市では市の職員の新人研修にこの作業がプログラムされているそうです。分別する意識が高まりますね。
粗大ごみとして運ばれたものの中から再利用可能なものは立川シルバー人材センターの工房で修理して販売しています。私も何度か利用したことがあります。
堆肥の素、発酵しているので触ると暖かかった。 |
ペットボトルを圧縮したベール。サイコロ状のかたまりをベールと呼ぶそうです。 |
ここにもごみピットがあります。ペットボトル、プラ スチック、燃えないゴミ、カンなどがためられます。 |
50分で10分休憩、ごみを追うのではなく、1点を見るのだそうです。 |
粗大ごみとして出されたものを修理して販売しています。 |
リサイクルショップ西砂、一度のぞいてみて下さい。 |
■日ノ出町に移動
再びバスに乗って、最終処分場の西多摩郡日ノ出町へ向かいます。バスの中ではエコパートナーの方から立川市のごみと資源についてレクチャーを受けました。
■二ツ塚処分場
日ノ出町に着くころには雨が強くなってきました。二ツ塚処分場に到着しました。バスの中から景色と施設内の説明となりましたが、東京たま広域資源循環組合の方による「エコセメント」のお話は大変興味深いものでした。
東京たま広域資源循環組合は多摩地域の25市1町で組織されています。多摩地域の400万人以上のごみの最終処分場です。二ツ塚の前は同じく日ノ出町の谷戸沢に処分場がありましたが、現在、埋め立てが完了しています。谷戸沢処分場の埋め立てが開始されたのが昭和59年、平成2年には処理場が満杯になることから新しい処分場が必要になり再び日ノ出町にお願いして二ツ塚処分場ができました。谷戸沢処分場の埋め立てが完了したのが平成10年、14年間で満杯になったことになります。平成10年から二つ塚の処分場の埋め立てが開始されましたが、当初のペースではここも14年後には満杯になることが予想され、様々な検討が行われた結果、清掃工場から運び込まれる焼却灰を全てエコセメントにすることで埋め立て量は激減しました。平成12年の埋め立て量159千立方メートルに対して平成25年は2千立法メートル、実に1.25%にまで減少することに成功しました。
エコセメントは焼却灰と石灰石を加工してできます。エコセメントはJIS規格に定められた土木建材資材で普通のセメントと同等の品質が確保されています。多摩地域の各自治体でも道理整備、建築資材として幅広く利用されています。
エコセメントの成分についての説明。 |
焼却灰の受け入れピットがあります。 |
焼却灰は清掃工場により色が少し違うようです。ここで 混ぜ合わせます。 |
クレーン作業のオペーレーション室。 |
エコセメントでできたU字工。 |
バスの中から二ツ塚の処分場を見ます。 |
■谷戸沢処分場
次に向かったのは埋め立てが完了しています。跡地は広大な草原になっていて、現在では四季を通じてさまざまな動植物が生息するようになっています。トウキョウサンショウウオは産卵地の整備などで増加しているそうです。オオムラサキやヘイケボタル、ゲンジボタルも生息しています。
東京たま広域資源循環組合では、生態モニタリング調査を行っています。埋め立ては完了しましたが、維持管理は今後も続きます。
埋立地は広大な草原に、サッカー場も整備されています。 |
オオムラサキが生息する榎木。 |
■立川市へ戻ります
処分場をあとにして帰路につきます。ここから1時間ほどの行程、バスの中ではエコパートナーの皆さんによるクイズ形式のレクチャーがありました。実際の品物を確認しながら、何のごみとして出せばいいのか。私はコピー用紙の包装紙が問題でした。「雑紙」と答えたのですが、包装紙の内側にロウがひいてあるので正解は燃えるごみだそうです。最後に暮らしに役立つ「生ごみの水切り器」「キッチンスポンジ」「水切りネット」をいただきました。燃えるごみの減量化には水切りが大切です。また、チラシやDMなどの紙類も燃えるごみに多く含まれているようです。雑紙でだしましょうということでした。
立川市エコパートナーの皆さん、関係者の皆さんありがとうございました。