イベントレポート
立川で、小説『舟を編む』にまつわるイベント。
贅沢な講演&演奏会が
ありました。
東京都立立川高校 卒業30周年の
記念イベントとして、
同期のお仲間が企画されたもの。
講演者は、広辞苑などの
編集に携わる
岩波書店辞典編集部 副部長
平木靖成(やすなり)さん。
立川高校卒業後は、東京大学へ。
映画やアニメにもなった
三浦しをん氏の小説
『舟を編む』の主人公モデルと
言われる男性で、
執筆に協力をされた方です。
講演は30分。
辞典を使う側に立って、
言葉のとらえ方や
コミュニケーションの要点まで、
とてもわかりやすいお話でした。
平木さんが在籍される
辞典編集部への問い合わせで
一番多いのが、「この言葉遣い、正しいですか?」。
言葉の遣い方を間違うだけで、
人間性まで否定されてしまう
ことに、怖れを抱く人は多いようです。
「辞典は許容範囲、無難に使える言葉って
なんだろうということを説明している。
世間の言葉の変化の後追いをしながら、
色々な場面で色々な人が
使っている言葉の、最大公約数を抽出している」
とのこと。
「辞典の知識をふまえた上で
有効に、自分の伝えたいことが伝わるように。
相手の心に響く言葉遣いは
何かということを確認しながら、
さらに一歩踏み出して」
と背中を押す言葉も。
また、話を聴く際は、
「相手がどのような意味でその言葉を使っているのか、
無駄に誤解しないように意識すること」など。
とても勉強になりました。
平木さんの講演後は、
立川在住のチューバ奏者 岩井英二さんによる
ミニコンサート。
岩井さんは、立川八中出身の立川っ子。
日本管打楽器コンクール優勝後、
ドイツで9年間演奏活動。
帰国後は、国内のオーケストラをはじめ、
多くの海外オーケストラの来日公演に
参加されている実力派です。
オーケストラや吹奏楽で演奏される、
チューバのソロを聴く機会は
なかなかありません。
大型の金管楽器から流れる、
あたたかくて深い低音。
ジャジーな音に都会の夜景を浮かべると、
次の瞬間、美しい田園風景が浮かんでくる。
岩井さんの器の広さを
感じさせる素晴らしい演奏でした。
今日は、立川高校 吹奏楽部の
教え子(ピアノ)との共演。
岩井さん、母校での演奏と
喜びが重なったようです。
同期のお仲間はじめ、
吹奏楽部の後輩の皆さんの
サポートにより実現したこの度のイベント。
場内はあったかい雰囲気で、
ふと、故郷の母校を思い出しました。
by T.I
備考欄 | 東京都立立川高校 卒業30周年の 記念イベント |
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