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インタビュー

立川の街のために貢献したい
世界に飛び出したフィギュアメーカー
KOTOBUKIYA株式会社 壽屋 代表取締役 清水一行氏

株式会社 壽屋 代表取締役 清水 一行さん

(同席:株式会社 壽屋 戦略開発部 部長 杉山学さん)

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曙町のおもちゃ屋だった壽屋。
立川生まれの立川育ち。
立川の中心に建てる本社ビルで、
街のこれからに一石を投じる。

編集部

社長は立川のご出身なんですよね?

清水

高松町に家が7軒くらいしか無かった時代に、ひいお祖父さんが砂川から曙町へ出てきました。昭和23年からおもちゃ屋をやっているけれど、その前は旅館をやったり蚕をやったりね。壽屋の壽はお祖父さんの壽三郎の一文字です。

編集部

社長はプラモデルがお好きだったんですか?

清水

全然(笑)。おもちゃ屋もやる気なかった。
当時はおもちゃ屋と言っても、今と違って節句人形を売ってたんですよ。
そこから模型屋に転向した時期は、ゼネプロという会社が既存のプラモデルにないもの、マニア向けにこだわったものを作りだした時ですね。

編集部

いわゆるガレージキットですよね。

清水

そう。大きなメーカーがアバウトな模型を大量生産する時代ではなくなり、ゴジラとかウルトラQとかというものがよく売れたんですよ。
そこでガレージキットメーカーが沢山できて、多い時には30社くらいありましたね。
10個程度なら普通のお店で売れてしまう数。そういうものを手軽に売っていったのが当時の始まりです。

編集部

第一デパートがなくなって、立川にはお店がありませんよね?
どこかに新しくお店を設けるんじゃないかなって、期待する声があります。

清水

実は、市内に自社ビルを建てることになったんです。
そこにみんな持って行こうという計画です。

編集部

えぇ!そうなんですか!へえぇ。楽しみですね~。
立川は第二の秋葉原とかミニ秋葉原とか言われていますが、
もう1つ盛り上がりに欠けるものがありますから、期待されちゃうんじゃないですか?

清水

核になるところがないから盛り上がらないんじゃないかな?
壽屋もね、会社を見に来る学生がいるんですが、看板だけ見て帰っちゃう。
フィギュアを作っている会社だと思っているからでしょうね。
セル画とか描いているんじゃないかと思うんでしょう。
原型はこちらで作っていますが、製作は100%中国ですから生産工程を見せる事はできないんですが、そういったことを意識して、本社ビル建設時には立川の街に貢献できるようなものを入れ込んでいけたらいいなと思っています。

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編集部

第一デパートの壽屋ファンは待っているでしょうね。

清水

そうだと思いますよ。
だからその期待にどう応えるかが問題なんで‥。
でも実際にはつまらない店なんですよ。模型屋なんだから。プラモデル教室はやりたいと思っています。
それとショールーム。やっぱりうちは立川の模型屋のイメージで。
立川にいながら、お客様が全国に散らばっているので、立川には何にもしていない。少し貢献できればと思っています。

編集部

模型だけじゃないでしょう?

清水

プラモデルと、秋葉原で売っているような商材と、立川のアニメ系街起こしが盛り上がるようなラインナップを作ってみたいというイメージはあるんです。

編集部

立川にとってはすごくうれしい話ではないですか。
同時に、一部の市民にはオタクを集めることへの嫌悪感があるかもしれない。

清水

そうね。
昔のオタクと言えば、家にこもっているのがそうだけど、今のオタクは博士のイメージでしょう。
マニアよりさらに深い知識を備えていてね。
ある意味、賞讃される存在で、オタクと呼ばれると嬉しいって言いますね。

編集部

そういうオタクを相手にご商売されているのだから、社長は相当尊敬されているでしょ?

清水

先日ね、中国に原型を持って行かなければならなくて、朝早くに自分の車で走っていて、国立のコンビニで車を停めたのね。そうしたら子どもたちが朝早いのに一番くじ引いているんだよ。で、フィギュアが当たった、当たったって騒いでいるから、「このフィギュア、どこで作ってるか知ってる?」って聞いたの。知らないって答えたから、「これは海洋堂さんだよ」って。
じゃ、壽屋知ってる?って言ったら、知ってる、知ってるって(笑)。なんだか知らないけど、そう聞いちゃったら、すごく嬉しくなっちゃって、たまたま積んであった原型を見せたら、もう狂喜乱舞ですよ。
なおかつ私が社長って言ったら、なんか神に会ったようになっちゃってね(爆笑)。

編集部

(笑)その世界では神様ですから!
社長も神でしょうが、壽屋さんは社員さんに神を揃えているんでしょう?

清水

ある意味はそうかな。好きでやっていると長続きするから。
そうは言っても、お客様に商品を買ってもらうわけですから、人の意見が聞けたり調整能力が高くないと。自分が知っている、自分の思う通りにでは、かえって知識が邪魔してしまう。
実際には神ではないし、時代は流れていますからね。自分の力だけで勝負しようとする人は続かない。

編集部

社会貢献活動もさかんになさっているとうかがいました。

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清水

やってますよ。縁あって立川シティハーフマラソンのスポンサーを続けるということになりました。

杉山

単にお金の面だけでなく、立川の壽屋にみなさんが期待される部分に対しての協力もさせていただいています。会場で配布したくるりんのぬいぐるみとか宣伝の入っていないクリアファイルとかですね。

編集部

楽市でもフィギュアを貸し出して撮影会をなさっていましたね。

清水

壽屋の名前なんか出なくてもいいんです。うちが良ければではなくて、立川が良くならなければダメなんで。

編集部

そういう観点から、立川市の主導するアニメでの街起こしはどうご覧になりますか?

清水

全体で動いている感じがしない。1チームが頑張っているという感じだもの。連動していないでしょう?

編集部

そうですねえ。

清水

三鷹が頑張ってますよね。アニメスタジオで固めてきてます。立川も本気になればね。
アニメイトとかボークスとかあるんだけれど、規模が小さい。吸引力にはなり得ない。
極端な話、秋葉原からお客様を引っ張ってしまうくらいにならないと。

編集部

第一デパートには、よく山梨からお客様がいらしてましたよね。

清水

第一デパートはアメ横みたいな雰囲気がよかった。
うちが入っていた3階は趣味のフロアでしたね。本屋さんはすごく偏った品揃えでね。

編集部

虫屋さん、ありましたよね(笑)。

清水

虫ね、夜中に逃げちゃってね(笑)。

編集部

あと、サンモリノ。

清水

そうそう、サンモリノね。
それぞれが何か独特なものを持っていないと聖地にはなれない。

編集部

本社ビルでは他には?

清水

秋葉原にイベントスペースを持っているけれど、今度はそれも作ろうと思っています。
声優呼んだりね。

編集部

すごいことになっちゃいますよ。

清水

すごいことしないと、お客さんは来ないじゃない。

編集部

アイドルの劇場とか? 八王子にはご当地アイドルいますよね。8プリって言うんですけど。

清水

うちは自前でアイドルいるんですよ。
KTB48かな?個人活動なんですけど、業界では有名な子です。

編集部

48人いるんですか(笑)?

杉山

いや、募集中ということで。

編集部

立川市に呼びかけてオーディションとか?

清水

バカなこと言って(笑)。

杉山

枠ありますんで、えくてびあんさん、よろしかったらどうぞ。

清水

面白い!(爆笑)

編集部

何歳までいいんですか?

清水

お客様次第でしょ。いいんじゃないですか、お客様の要望があれば(笑)。
横に並んで握手会やって、誰が一番要望があるかって。下から二番目はJ2に降格とかね。

編集部

社長、面白~い。

清水

いや、真面目にやると48を使うにはいろいろむずかしいから、24くらいでいいんだな。
まず48人集まらないし(爆笑)。