『天婦羅・うなぎ 良銀 総本店』　店主に伺ったお話

現在ある『良銀』のちょうど裏手に
あった『安川旅館』が前身で、
創業は昭和28年。
従業員を5、60人抱える大きな旅館でした。

｢親父が良夫で、祖母が銀。
それで『良銀』(笑)｣
２代目の岩田多喜夫さんが小学校に上がる頃、
父親である初代オーナーが始めたお店です。

お父さんの病気がきっかけで
岩田さん24才の時、『良銀』へ。
柴崎町の諏訪通りで今日まで
女将の弘子さんと一緒に、
暖簾を守ってきました。

料理とは無縁だったという岩田さん、
先代の言われるまま、
一から学んだそうです。

｢親父の思いもあったので、
その流れを汲みながら。
40才くらいから、ようやく自分の店として
やり始めた感じですね。｣

家業を担う形で受け継いだ、
天ぷらとうなぎのお店。

｢うなぎが好きな方は本当に多い。
うな重なんて、
倍近い価格になってるというのに｣。

蒸してふっくら焼き上げる
『良銀』のうなぎは、ことに女性に大人気。
コースの焼き魚を、うなぎに替える
リクエストも受け付けています。

一方、男性に喜ばれる、
安くてボリュームのある月替わりのランチ。
ご飯の大盛が無料で、メニューも選べるよう
複数用意しています。

“こうと決めつけず、乗っかってみる”が
岩田さん流。仕入れについても、
持ち前の大らかな人柄が生かされます。

｢今は若手が継いで、
みんな一生懸命やっています。
使ってみて良かった時はホメる。
そしたらまた頑張ってくれますし、
知らない食材とも出会えますしね。｣

八王子の青果市場などとも
連携を図りながら、その時の
旬のものを取り寄せているそうです。

運動部の合宿先にもなる旅館だったため、
小学校に通う間、岩田さんは
寮で生活していたそうです。
自宅に帰る週末や夏休みは
魚のウロコ取りなど、もっぱら家のお手伝い。

｢子供の舌は雑味を知らないからと、
かつお節を変える時にも、
よく味見をさせられました。
親父と板前さんを前に、
これがおいしい！って。｣

50年以上続くお店の女将として、
今やなくてはならない存在の弘子さん。
岩田さんも、その裁量を心から認めています。

「こういう商売って、女の人がいいのかも。
うちは宴会が多いでしょう。
“いつものようにやって”って言われて、
“はぁい”って」。

ご本人はただ控えめに、
「恐いもの知らずだったと思います。
いつも見よう見真似。
岩田の両親やお客様に育てて頂きました」。

大学進学のため故郷の香川を離れ、
卒業と同時に飛び込んだのは、
地元に根づくお商売の家。

「電信柱にも頭を下げる気持ちで
仕えていきなさい」。
嫁いでゆく娘に、実家のお母さんが
渡された教えをかみしめるように話します。

今も当時の名残を感じさせる和の設え。
お店で使う器は、ほとんどが有田焼で
先代が揃えたものだとか。

「先のことはわからないけれど、
うちがやり続けることも大事かな。
そうそう『良銀』あったよね、
久しぶりに行ってみよう！って思って
頂けたら最高」。

お客様は初代から２代目へ、
中には３代目の方も。

「今はこの店だけになって、
小さくなり始めたところに、
また広がっていくようでうれしい」
と言う岩田さんに、弘子さんが
「一回一回のご宴会を大切にしていきたい」。

そして、「お客様のご要望を
もっと聞かせて頂きたい」
それがお二人共通の願いです。

[個室について]

ご利用の人数に合わせて個室をご案内。
天ぷらをはじめ、旬の食材を生かした
老舗の味を楽しめます。

コース例
・レディースサービス(3,500円)
・２時間飲み放題コース
　(５品 5,000円～)
(前菜・酢の物・刺身・天婦羅・焼き物など)
※焼き物を＋750円で、うなぎに変更が可能です。
少人数から100名様までの宴会予約を受付中。

77畳の大宴会場もあります。

※記事の内容は掲載時のものです。