立川市の旧家跡「小林家住宅」と「須﨑家内蔵」が移築復元され、立川市民のみならず、どなたでも無料で見学ができる立川市の指定文化財。古民家園には、地元の小学生が授業の一環で訪れたり、高齢者施設のお散歩コースとしてなど、多くの方々から親しまれています。
長年、この古民家の維持管理を任されるスタッフのお一人に、峯岸 誠さんがいらっしゃいます。峯岸さんは、東京の西の山間育ち。自衛官から大学校の管理業務を経て、縁あってこの古民家園の業務に携わることになりました。


歴史的建築物である家屋のお手入れ方法、管理する上でのポイントなどを熟知する峯岸さん。仕事に取り組むその姿勢は、スタッフの皆さんからも一目置かれます。
というのも峯岸さん。実はご出身の地元では、文化財に指定される家屋で暮らしていた一族の末裔、幼いころから歴史的建築物に慣れ親しみ、生活する上でのノウハウを体験から知り尽くしているのです。


古民家園の出入り口が開く午前9時よりも前。黙々と清掃業務を進める峯岸さん。
雨戸を開けたら、掃き掃除。終わったら拭き掃除と、手を休めることはありません。
囲炉裏に火を起こすにも、乾燥させた小枝や樹皮、燃えやすい針葉樹から消えにくい落葉樹へと火を育てながら、安定した火力を維持する着火の順番も覚えておきたいノウハウの一つ。
また、土間にはどまの、庭にはにわの、雨の日には雨の日の作法があって、その一つひとつが無駄のない、理にかなった生きるための知恵が詰まっています。


峯岸さんの仕事は、歴史的な文化財を現代(いま)に伝えるため、日々の維持管理を行うこと。そしてここ(古民家園)には、先人たちが自然に寄りそい、築きあげてきた暮らしの中から、生きるための本質、今何をすべきかを考えさせるテーマが溢れていました。


君たちは未来に向けて、何をしていくんだい?
峯岸さんの仕事に取り組む姿勢から、そんな声が聞こえた気がしました。
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