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…とある一日拝見します!立川から世界へ。たった一つだけの尊厳を描き、伝えるアーティスト
葉画家・群馬直美さん

  • エリア 富士見町
  • ジャンル お知らせ
「一緒に銀座で展覧会をやろう!」ーー病床で生きる気力を見失っていたお父様を励まし、約束していた目標をついに実現。東京・銀座のギャラリーで開催の「葉っぱ劇場」は、大盛況のうちに幕を下ろした。

葉画家・群馬直美 さんは、立川市富士見町のアトリエで、創作活動をつづける世界的なアーティスト。そして即興の創作ダンスを踊るパフォーマーでもある。
目標だった銀座の展覧会は、これまでの集大成というより、むしろ群馬さんの内面に沸々と滾る本質の部分が、色濃く表された展覧会の印象を強く感じさせた。




展示された作品たちは、これまで描いてきた葉っぱたちに、新たな息吹が加えられたもの。そして、いつもは作品の引き立て役として展示されるキャプションにスポットライトを当て、マスキングテープを用いた表現手法で描いた作品で構成された。




群馬直美 の名が、世界的に知られるきっかけとなった作品『神さまの仕業ーネギの一生ー』は、群馬県下仁田町の農家に通い、その栽培方法を一から学び描きあげた。ネギの一生を6枚にまとめた作品は、英国王立園芸協会主催植物画展(RHS London Botanical Art and Photography Show 2019)で、最高賞を受賞することとなった。
銀座の展覧会では、ネギが成長する過程とともに、その過程で見られる季節の植物を一緒に展示した。




立川市曙町の蕎麦屋「無庵」。店主の畑で採れた「辛み大根」をモデルに描かれた一枚は、この辛み大根を描くために、用いられた資料写真とともに展示されていた。
その資料写真は、角度を変えて何枚も撮られ、その枚数の多さに驚愕。群馬さんが一つの作品に費やす時間と、真摯に向き合う姿勢がうかがえる展示となった。



そして、ご自身のアトリエ階下の茂みで見つけた「ドクダミの花」をモデルにした作品は、群馬さんの特別な思いを感じさせる。
ふだんは厄介もの扱いされるドクダミを、群馬さんは「裏庭のマザーテレサ」と呼ぶ。
抜いても切っても絶えることなく繁殖するため、庭の雑草として忌み嫌われるドクダミには、ペニシリンよりも強力な殺菌作用がある上、煎じて飲めば利尿作用や毛細血管を丈夫にする効果もあると知られる。さらには動脈硬化を防ぐ働きなども期待できる優れたものである。ドクダミが、この展覧会のキーパーソンになっていた。



この銀座での展覧会には、お父様との約束以外にも、特別な思いがあった。
群馬さんが、葉っぱをテーマに創作活動をはじめ、あと数年で40周年という頃、最愛のお父様がご他界された。その近年には、ご自身の作品のすべてを任せられるほど、信頼していた教え子の急逝もあり、故郷の群馬に戻るべきか、それともこのまま東京(たちかわ)で活動をつづけるべきか…。その分岐点に立たされていた。



また、現実世界に目を向ければ、予測できない自然災害の脅威に痛めつけられながらも、生きるために前に向かって頑張っている人々の一方で、戦争や紛争、身勝手な理由で奪われる命など、人間も葉っぱたちも、小さな夢や希望でさえも、無残に切り刻まれ、焼き尽くされているような現実。蔑ろにされる命のはかなさに、人知れず苦しんでいた。



病床のお父様が常日頃いっていた『元気で頑張ろう』の言葉。
足もとに舞う、世界にたった一枚しかない葉っぱの美しさ。
『人間も葉っぱたちも、この世界にはたった一つしかない特別な存在』。
群馬さんの根底にある、本当に美しいものへの尊厳を、世界に伝える使命が、ふたたび沸々と滾りはじめた。



東京、銀座で開催された展覧会には、日本各地からの集客があった。
亡きお父様と教え子、そして今年の初めに他界した長年の葉っぱの絵の応援者も登場する作品も展示された。
昨年(2023年)展覧会の開催で訪れた能登へ、支援金を募る作品には、お父様の劇的な回復となった出来事に「裏庭のマザーテレサ」の奇跡が綴られていた。



そして何より、群馬直美 さんが、ここ東京立川で、これからも活動を続けていくことを、全世界に宣言する展覧会となった。



By.ノックアウト♪
名称 …とある一日拝見します。
立川から世界へ。たった一つだけの尊厳を描き、伝えるアーティスト
葉画家・群馬直美さん

2024.10 現在